サイトオープンから240日が経過した「ネオページ」のイメージについて【小説投稿サイトレビュー】

小説投稿サイトレビュー・ネオページ

2024年7⽉30⽇、Web小説投稿サービス『ネオページ』のサイトが開設されました。 業界初と謳われた「5億円インセンティブプラン」や、毎月の執筆文字数に応じて、作家が一定の原稿料を受け取ることができる「Web連載契約」をはじめ、開設当初から話題になっていました。

私は今ご覧になっているこのサイト「Web Novel Labo」を運営している兼ね合いで、日々小説に関するご相談や問い合わせが届きます。

誤解を恐れずに申しますと『ネオページ』に関する質問はめっっっっちゃ届いていました。

ネオページってサイト、怪しい?

契約作家に誘われたんですが、これって危ないですか?

興味があるんですが怖いです。潜入してもらえませんか?

自分、小説投稿サイトを調べる探偵と思われてる可能性あるな

もちろん私もネオページにはプレオープンから参加し、潜入しています。(潜入してるんかい)

その結果、コンテストなどの情報を作家さんに共有しても問題ないと判断しています。

しかし、私個人で調べる・経験できる部分は限られていたので、信頼性等の部分においては公で発言していませんでした。

最初に言っておきたいのですが、特に質問が多い契約まわりのことや、原稿料についての話は個々人で受け取り方が変わるものです。つまり、私から明確なアドバイスはできません。

作品の扱いをどうしたいか、原稿料がいくらならいいのか、毎月どれくらい書ける体力があるのか……それは人それぞれですよね

みなさんが悩む気持ちもわかりますが……答えられなくてすみません

いつも申し訳なく思っていたのですが、今回、ネオページの運営さんから記事執筆のご依頼をいただきました。

まさか中の人と直接お話できるなんて! こんなチャンスはなかなかありません。

せっかくの機会なので、今回の記事ではひとりの作家・ユーザーとしての感想をぶっちゃけつつ、ネオページ開設当初から変化していったイメージをまとめたいと思います。個人的に気になっていたことについても質問させてもらいました。

あくまでもこの記事は私個人の考えに、公式から発表された情報を合わせて執筆していることにご留意ください。

利用するメリットや期待できる部分を中心に紹介するので、参考になれば幸いです♪

目次

ネオページ開設当初のイメージの話

ネオページ・イメージバナー

『ネオページ』は2024年7⽉30⽇(⽕)よりサービスが開始された新興のWeb⼩説投稿サービスです。

私がネオページを見て最初に思ったことは「なんかAIっぽいイラストがいっぱいだから紹介するのは勇気がいるなぁ」でした。

AIについては創作者のなかでも意見が分かれやすい、とてもセンシティブな話題です。

私個人も色々と思うところはあるのですが、作家として、また小説に関連するメディアを運営する者として、偏った意見を表明すると誰かを傷付けるのがわかっているので、極力話題にするのを避けているのが本音です。

ネオページもサービス開始当初、良くも悪くもこの話題で盛り上がっていました
(こんなことを書いて申し訳ないとは思っている)

後にこの話題についてはネオページ公式から表紙イラストの内容について説明があり、私としては良い方に印象が変わりました。AI使用についての是非があるのは前提として、説明から逃げない姿勢は好きです。

このように、ネオページは「問題があるかも?」と感じていた部分について説明し、検討・改善をまめに行っています。これは当たり前のようにみえますが、簡単なことではありません。

さて、サービス開設当初の話に戻ります。

プレスリリースに書いてある文言について、私は大変に興味を惹かれていました。

ネオページは、「⾃由な発想と多様な表現が何よりも尊重される場所」のコンセプトのもと、一作一作のストーリーが輝ける場所を⽤意し、すべての小説創作者が⾃らの声を世界に届け、読者との豊かなつながりを築くためのサポートを提供するサービスです。
株式会社ネオページ 2024年7月30日 プレスリリースより

私は今まで多くの小説投稿サイトを利用し、作品を読み、Web作家と交流し、様々な意見に触れてきています。

「⾃由な発想と多様な表現が何よりも尊重される場所」

それを求める作家が多いのは充分すぎるほどわかっています。

だからこそ、言うだけなら簡単なのも知っています。

ですので、私はこの機会にネオページが開設当初に挙げた上記のコンセプト、そして一緒に書かれていた「ネオページの思い」の部分が実現できているのかを見ていきたいと思います

サイト開設から240日間が経過しているのですから、その思いについて目に見えてわかる部分がないとお話になりません。

依頼をもらった記事でする話なの?

この管理人、重箱の隅つついてきそうですね……

【ネオページの思い①】
 書く喜び、読む感動を最⼤化したい

ネオページ・オープンデクラレーション

「ネオページ」では書き手の「書きたい」と思う作品をより良い形で⾔語化し、⼩説という形にしていく過程をサポートします。また読み手の「読みたい」と思う作品を書き手にフィードバック、参加者全員が満足できる場を⽬指します。書き⼿と読み⼿が作品を通じて⼼を通わせることで、新たなコミュニティを生み出します。

サイト開設から現在まで4,000以上の作品が掲載されていて、契約作品だけでも350作品以上あるとのこと。

現在は契約作家以外でも1,600名以上の作家が参加しているそうで、スタートダッシュは好調だったようです。(*これは中の人に聞いた数字)

書き⼿と読み⼿が作品を通じて⼼を通わせるという部分についてですが、作品のコメントUI・レビュー機能はわかりやすく・使いやすいです。

コメントの通知はもちろんあるし、イイネだってつけられます。
面白いと感じたのは「もらったコメント」をすぐにシェアできる機能

ネオページ・コメント機能スクリーンショット

素敵なコメントをもらったら自慢したくなっちゃう人も多いはず。感想は作家のエネルギーですから!

いただいたコメントを引用して宣伝にも使えるので、便利な機能だと思います。

次に、「新たなコミュニティの創出」という点では、公式Discordの開設・運営をしています。
(2025年4月現在、参加者は500名を超えています)

この公式Discordは書き手はもちろん、ネオページの読者も参加することが可能です。

正直、読み専で公式Discordに参加するっていうのはハードルが高そうですが、門戸は開かれています。

雑談や交流はちろん、創作に関する話題の投稿が可能です。ネオページの編集さんたちも公式Discordにいるので、不具合の報告や改善の要望も気軽にできる場所になっています。

ただ、トリさんがマスコットキャラクターの某大手小説投稿サイトも公式Discordの運営をしていて、そちらの参加人数はすでに6,000人を超えようとしています。ネオページはまだ開設したばかりなので当たり前ですが、まだまだ大手と比べて勝っているとは言えず、成長過程にあるといえます。

参加人数が少ないからこそ、交流が盛んになる部分もあるんですけどね

【ネオページの思い②】
創作者に自由な成長の場を提供したい

ネオページ・創作の庭

「ネオページ」では、創作のためノウハウを集約したコーナー「創作の庭」を設け、初⼼者から経験者まで成⻑できる環境を整えます。さらに、経験豊富な編集者チームが、作品⼀つ⼀つに寄り添ったアドバイスとフィードバックを提供、作品のより良いアウトプットをサポートいたします。

ネオページ内にある「創作の庭」は小説執筆のコツや作家へのインタビューなどを閲覧できるコンテンツです。

こちらのコンテンツでは現在「小説についての基礎知識」「プロットの作成方法」が学べます。

小説投稿サイト内にこのようなコンテンツがあるのは喜ばしいことです。
ただ、創作について学びたい場合は小説指南本や他のサイトでも知識を得ることができるので、極端な話ネオページじゃなくてもいいです。

ですが、ネオページにしかないサポートがあります。

それが「編集サポート」と呼ばれるサービスです。

契約作家でなくても、新人作家でも、小説を書き始めたばかりの方でも、質問があれば適時編集者に質問ができ(チャット形式)、回答がもらえます。

作品の相談はもちろん、その他ネオページに関する質問もできます。

これに関しては大手小説投稿サイトだってできません。というか聞くだけでも人手と時間が必要なのがわかるサービスなので、にわかには信じがたかったです。

作品の方向性について相談できる中の人がいるって、すごすぎる

Xでネオページの編集さんはけっこうな人数がいるとは感じていましたが、それにしてもですよ!

作品が読まれないから、誰からもアドバイスをもらえない……と悩む人は少なくありません。

なので、新人作家(小説を書き始めたばかりの人)はまずネオページに登録してもいいかもしれないと、私は思いました。

ちなみに、作品発表を続けていけば担当編集が付く可能性もあるとか。締め切りの追い立てもしてくれるそうです(笑)

他社にはない仕組みをネオページは持っているので、利用する価値は高いと言えます。

【ネオページの思い③】
全作品にスポットライトが当たるステージを立ち上げたい

「ネオページ」では、全ての投稿作品を最⼤限かつ広範囲に周知するためのシステムを順次導⼊予定です。ランキングシステムの多⾓化とレコメンド機能(開発中)を組み合わせ、作品と読者を最適な形で引き合わせ、新たな発⾒と出会いの機会を創出いたします。

トップページに掲載されるランキングは7種類あります。

  • 人気ランキング
  • 閲覧ランキング
  • 応援ランキング
  • 更新ランキング
  • 新作ランキング
  • アクティブランキング
  • 短編ランキング

作品露出のチャンスを増やそうという心意気は感じます。

レクタングルバナーでの各作品の紹介も、他の小説投稿サイトと比べて大きめのサムネイルバナーですね。ほかにも「編集部のイチオシ」「ジャンル」など様々な作品が目に触れるようになっています。

ネオページ・ジャンルランキング

まだまだ発展途中という感じはしますが、人気ジャンル・人気作品一辺倒のページにならないように努力してくれているのがわかります。

ただ、どうしてもWebの特性上読まれやすい、需要のある作品というのは出てきますよね

そうですね。だけど、個人的にそれは悪いことではないと思っています。私自身、主に児童向け作品を書く作家なので、基本的に作品をWebに投稿しても読まれる機会は少ないです。(メインターゲットがWebにあんまりいないので)

それなら、ランキングに載らないので人気ジャンルを書く作家さんより損をしているような……

すべてを平等にというのは現実的に考えて不可能だと思います。色んな作品と出会える機会が提供され、かつ数少ないジャンルの作品を必要としてくれる読者さんに、ちゃんとレコメンドしてもらえるなら、私は十分嬉しいですね。ネオページの「作品と読者を最適な形で引き合わせる」という思いに期待したいです

【ネオページの思い④】
創作を正当に評価するシステムを構築したい

「ネオページ」の編集部⾨には、国内外の⼩説市場に精通した編集者が多く在籍しています。編集者たちは⽇々投稿される多くの作品に向き合い、WEB⼩説界の未来を担う作家の発掘に取り組み、充実したサポートを提供いたします。

この思いは前述した「編集サポート」の部分も含まれると思います。

ほか、作家へのサポートの一例として、「NSP賞」があります。
コンテストに参加したすべての作品に、ネオページ編集部からのフィードバックが送られました。

NSP賞とは

ネオページ・サポート・プログラム賞の略称。
全ジャンルを対象とした投稿イベントで、賞のレベル別に賞金・最低保証原稿料付の連載契約などが提供された。

第1回から第4回の開催で、総応募数は1,185作品。
これだけの作品に批評を送れるのは尊敬に値します。批評を行うには、作品をしっかり読み込まないとできないはずなので。

今後のキャンペーンでこの参加特典が継続されるのかはわかりませんが、批評が手に入るのは作家にとって大変貴重な機会です。今後のコンテストの特典にも期待したいところですね。

【ネオページの思い⑤】
テクノロジーで創作活動を支えたい

「ネオページ」は、使いやすい小説投稿機能はもちろん、執筆補助機能や作品データ解析機能など、多彩なツールを提供し、継続的にそのレベルアップをはかってまいります。今後も段階的により便利な機能を導入していく予定です。

執筆環境についてもかなり力を入れているのがわかります。

縦組みでのプレビュー表示、単語の置換機能、メモ機能など。
後発サイトなので大手小説投稿サイトにある良い機能を参考にできるのは、大きなメリットだと思います。

合わせて、ユーザーの意見をたえず募集しているので書き手に寄り添った執筆ツールになっていくことが今後も期待できます。

これは実際に聞いた話なのですが、自作イラストの表紙をネオページ側で契約したイラストレーターに依頼するなどのサポートも可能だそうです。

なんだか、すごく柔軟に対応してくれてますね

ネオページをすでに使っている作家の皆さんは担当編集経由で改善希望を伝えてみてもいいかもしれません。

ユーザーの意見やアイディアが、ネオページの今後を動かしていくのかも? なんて、話を聞きながらそんなことを思いました。

この短期間の間でも、ネオページがサイト開設時に挙げた「思い」は、目に見える形で実現されているといえます。

人手やお金がかかることでも、作家側にできるだけ寄り添おうとしているのは「思い」を確認していく過程で十分にわかりました。

サービスの内容が変化していくことはあるかもしれませんが、今後も最初に挙げたサービスの「コンセプト」や「思い」は変わることなく、書く人、読む人に寄り添ってほしいですね。

ほかの小説投稿サイトにはないサービスや試みが存在するので、利用する価値は充分にあると思います。

今後の課題

やはり一番の課題は読者ユーザーの獲得だと思います。

書き手であり読み手であるユーザーは今もいると思いますが、純粋な読者ユーザーの獲得という点ではほかの大手投稿サイトと比べると厳しい状況といえるでしょう。

ランキングの種類が豊富であっても、そもそもトップページへのアクセスがあってこそですから。

これは小説投稿サイトのほとんどが抱える課題・問題で、多くのサイトがこの部分を解決できずにサ終したり、実質運営が停止したりします

作家も読者からの反応がないと投稿モチベーションが湧かないこともあるので、結果的にサイト全体が寂れてしまう原因になるんですよね……

ネオページではユーザー増加のためのキャンペーンを常時開催しています。
お得なキャンペーンなので利用を開始するときには確認してみてくださいね。
ちなみに、コンテストでもコメントやレビューを書くとAmazonギフト券がもらえる可能性がある「読者賞」を設けたり読者が得する企画も積極的に開催しています。

①ネオページ新規投稿応援キャンペーン

②友達招待キャンペーン

また、すでに何度も話題にしていますが、ネオページでは連載契約(契約作家)のプログラムがあります。

この契約内容については執筆文字数や原稿料の話になるので、もし興味がある方は十分に内容を確認したうえで契約をすることをおすすめします。不安なことやわからないことがあれば担当編集さんに聞きましょう!

あとはやっぱり書籍化やコミカライズなど、ネオページ発の作品が活躍する実績が見えてくることが大事かな、と個人的には思います

原稿料以外での「ネオページで書きたくなる魅力」も大事ですものね

そのためにも、面白い作品を投稿してネオページを盛り上げなきゃです!

各メディアでの露出について

担当者さんの話によると、ネオページではサイトで作品を掲載している作家……主に契約作家の露出を進めているそうです。

その方法については広告バナーの露出で作品への誘導をダイレクトに進めるような形でなく、作品自体を深掘りすることで作家自体のファンになってもらうことを目指しているとか。

作品にマッチしたジャンルを取り扱うニュースサイトや外部サイトでの出稿記事を展開していきたいと考えているとのこと。

直近ではダ・ヴィンチWebで森晶麿先生と担当編集さんのインタビュー記事が掲載され、作品誕生のきっかけやプライベートについての質問とともに連載中の『鳥奥─CHO-OKU─ 大江戸火喰鳥事変』が紹介されていました。

サイト内でもサイト外でも紹介してくれるのは、作家にとってすごくありがたいですよね。ぶっちゃけて話すと、ネオページ以外での仕事に繋がる可能性も広がりますし(ぶっちゃけすぎ)

管理人も担当さんに質問してみた!

アイコンを自分の好きな画像にしたいです。今後アップデートの予定はありますか?

こちらにつきましては、ご要望をよくいただいております。ただ、申し訳ありません。現状では様々な理由から、アップデートの予定はございません。もしアップデートが可能になりましたら、可及的速やかにSNSなどでお知らせします。

「連載契約は30万文字を想定した作品じゃないとダメ」など、文字数での縛りはあるのでしょうか?

 厳密に30万文字をクリアしなければならないわけではありませんが、じっくりと腰を据えて作品づくりに取り組んで頂きたいこと、また、今後書籍化の可能性などを想定した場合、10万文字で約1冊分となり、1冊のみで完結してしまうと惜しいことから、コミカライズなどにも対応可能な30万文字を、ひとつの目安として定めています。いずれにしましても、5万文字を超えれば相談可能ですので、ぜひ一度問い合わせてみてください

ショートショートが好きなのですが、連載契約やNSP賞は長編を想定したプログラムだと感じています。以前開催されていた「笑いの短編小説コンテスト」のように、今後もショートショートの書き手が活躍できるような試みはあるのでしょうか?

前述のとおり、じっくり腰を据えて取り組んで頂くことを念頭に、現在は長編を中心にしたコンテストやプログラムを行っていますが、ショートを排除しているわけでは一切ありません。ショートにはショートにしか綴れない作品があり、今後はショートをテーマにすることも十分に可能性があります。

児童文学・児童文庫など児童を対象とした作品・ジャンルに対してどう思われますか? ネオページでは、そのような書き手・作品を求めているでしょうか。

現在中心となる読者層からはやや外れていますが、ネオページはどのようなジャンルの作品も歓迎しています。当該ジャンルの作品が今ないからNG、ということはまったくなく、優れた作品から新たなジャンルを切り開いていって頂くことも十分可能ではないかと考えています。作品の持つ可能性をぜひぶつけてみてください。

ネオページに関わる仕事をしていて、嬉しいことを教えてください。

やはり素晴らしい作品を見つけることができ、それを多くの方にお知らせできることではないでしょうか。世の中には無限の才能があり、それが開花する瞬間と、それを求める読者の方をマッチングできることが、何よりうれしいです。ひとつでも多くの作品を書き、発表して頂けるような場所にしたいですし、ひとりでも多くの読者の方に作品を届けたいと考えています。

ネオページの利用を考えている作家さんに、メッセージをいただけますか?

ネオページはまだ生まれたばかりのサイトですが、柔軟性に富み、日々変化と改良を続けています。昨日できなかったことが、今日はできるようになっているかもしれません。プラットフォームとして、全ては作家の皆さま、そして読者の皆さまのために、今後も進化し続けます。

答えにくい質問にも真摯に回答いただき、ありがとうございました! 

ネオページでは現在賞金総額1,000万円以上の「ネオページ書き出しコンテスト」も開催中です! ぜひチェックしてみてくださいね♪

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