なぜNolaは作家に寄り添えるサービスが作れるのか?オフ会に参加して見えてきたNolaのホスピタリティ【Nolaオフ会2024参加レポート】
株式会社indentが運営する創作プラットフォーム「Nola」は2024年6月17日で6周年を迎えました。同年8月には会員登録者数が50万人を突破し、破竹の勢いで会員数を伸ばしています。
2024年11月2日(土)には、Nola初の試みとして「Nolaオフ会」が開催されました。
ありがたいことにWeb Novel Laboもご招待していただき、たくさんのお話を聞くことができました!
今回の記事では、Nolaオフ会2024を通して知ったNolaというサービスについての情報を共有するとともに、参加したくてもできなかった皆様に代わって会場の雰囲気などをレポートさせていただきます。
はじめに‐Nolaというサービスについて
Nolaは物語の組み立てや執筆をサポートする、執筆ツールです。
PCとスマホでデータを同期して利用できるほか、プロットの作成機能や資料作成(登場人物・世界観・相関関係)など、小説執筆に役立つ機能が使えます。
Nolaを運営する株式会社indentでは、Nolaの他にも小説投稿サイトNolaノベル、電子出版代行サービスNola出版、短編小説投稿サイトのPrologueを運営しており、主に小説やシナリオなど、物語に関連するプロダクトを開発している会社です。
Nolaオフ会2024イベントレポート
Nolaオフ会は運営開始6周年の節目に、Nolaユーザーへの感謝を伝えるために開催されました。
イベントは第1部と第2部があり、私は第2部のプログラムと懇親会に参加しています。
会場は東京・六本木の蔦屋書店。
この日は各地で大雨警報が発令されており、新幹線も止まったりでガチでお足元が悪い日に集まることになりました。
天候が悪いなか全国各地から参加している皆さんの姿を見るだけでも、Nolaというサービスがいかにユーザーに愛されているのがよくわかりました。
私は東海地方から参加したのですが、スケジュールの時間に間に合うかとヒヤヒヤでした……!ですが、会場に着くとNolaスタッフのみなさんが温かく迎えてくださり、本当に来て良かったと思いました。
トークセッション
トークセッションは前半と後半で内容が分かれていました。
前半は主にNolaの活動について、後半はゲストセッションとして『編集部の掲示板』で連携している企業(KADOKAWA、カヤックスタジオ、美少女図鑑)からのお話がありました。
Nolaのはじまりとこれから
前半では「Nolaのはじまりとこれから」と題し、Nolaを運営する皆さんが登壇し、今までの活動を振り返りました。
執筆ツールNolaはサービスリリース直後から書き手の声を真摯に拾い、サービスの改善・アップデートを重ねています。私自身1ユーザーとして、NolaスタッフさんがXでユーザーとやり取りするのをよく見ていました。
「なぜこんなにも、書き手に寄り添ったサービスができるのだろう?」と不思議に思っていたのですが、前半のトークセッションを聞いて腑に落ちました。代表取締役の釜形さん自身も過去に小説を執筆していたそうです。そのときに小説を書く難しさや執筆に伴う課題について、釜形さん自身が経験しているので書き手に寄り添ったサービスができているというわけです。
トークのなかで、Nolaは利用している作家が口コミでサービスを広めてくれた……という話があったんですが、それはツールが便利なのはもちろん、Nolaスタッフさんたちが書き手の立場に寄り添ってくれるからという側面も大きいように感じました。
また、月に100~200の作家からの声を聞いて、都度サービスについて開発側と対応・協議をしているとも話されていました。真摯すぎない?
商業作家を目指す人に向けたNolaの取り組み
今回のトークセッションの中でひときわ強く感じたのが『Nolaを使うことで商業へのチャンスが開かれていく』その可能性と期待でした。
商業の場で活躍したい作家に向けて、Nolaは3つの取り組みを行っています。
1.原作募集コンテスト
スライドで紹介されているコンテストのほか、Nola独自の強みを出した『次世代作家文芸賞』という創作コンテストも開催しています。
このコンテストでは大賞受賞作品を、全国約800店のTSUTAYAの店内の一等地で販売を行うというかなり珍しい賞典がありました。全国津々浦々の小説公募を情報を常に探している私からみても、書店と連携するコンテストはなかなかないと断言できます。
2.編集部の掲示板
indentが運営するNolaノベルは〝作家と編集者の出会う場所〟がコンセプトになっています。この編集部の掲示板はそれを代表する取り組みで、『編集部の重視しているテーマや要素を作家が知ることができ、一緒に創作をしたい編集部に対して作家からアプローチすることで、商業出版へとつながっていく場所』を実現しています。
作品の投稿時に各編集部のタグを設定するだけで、連携している編集部に向けての作品の投稿が可能です。
2024年11月11日現在では21レーベルが連携しています。
今後も様々な編集部と連携していくとのことでした。各編集部の求めるものを知っていくのは、Nolaノベルはもちろん、Nolaノベル外の創作でも役立つ情報になると思いました。編集部の「こういう作品が欲しい」という具体的な話は、商業の舞台を目指す作家にとって有益な情報です。
なにより、コンテストではなく常設でこれだけの編集部が参加している小説投稿サイトはほかにありません。編集部の掲示板という取り組みだけでも、Nolaノベルを利用する理由になります。
3.Nolaエージェント機能
Nolaエージェント機能は、Nolaで執筆した作品の商業化をindentが営業面でサポートする機能です。
機能利用をONにしている作品を「Nolaエージェントチーム」が確認し、商業提案可能な場合は各種出版社へ作品を共有、商業化へ向けた打診を行います。
自分の作品がどこのレーベルに合うかわからない、どの公募とマッチングするのかわからないって作家さんにもおすすめできる機能です。
小説投稿サイトに投稿しなくても商業化のチャンスがあるってところもいいと思います。商業は目指したいけど小説投稿サイトに投稿するのはちょっと……と考えている人もいるはずなので。
商業デビューを目指すには「文学賞や新人賞の公募の受賞を目指す」「Web上で作品を発表して拾い上げしてもらう」……などの方法がありますが、Nolaのエージェント機能はそのどれでもなく、商業を目指す新しい道になるかもしれません。
また、作家だけでなくクライアント側も大いにメリットがあります。
発掘チームが小説を下読みして紹介してくれるだけでも仕事は大きく減るように思いますし、求めている作品をどう探せばいいのかわからないという編集部側のニーズにも応えられるのではないでしょうか。
エージェント機能は、現在iOS/Android版で提供が開始されています。
そして、これからの展望についての説明もあったんですが……。
その内容がとにかくすごい。
すごいけどまだ言えない……!
内容については順次Nola公式から情報が公開されると思います。
どこまで作家を応援してくれるつもりなの⁉ とツッコミたくなるレベルでした。
Nola、いや株式会社indentは「作家が創作に集中できる環境づくり」を本気で目指しています。
ゲストトークセッション
ゲストトークセッションではNolaと連携している三社が求める原作像やIP化への展望を直接聞くことができました。
登壇者は(株) KADOKAWA 瀬川昇さん、(株)カヤックアキバスタジオ 山田⻯太さん、(株)美少女図鑑中村孔亮さんです。
本当に興味深く勉強になる話ばかりで、メモをする手が止まりませんでした…!!
内容をこちらのレポで書くことはできないのですが、Nola編集部の掲示板で連携している一部のレーベルには「編集部の独占インタビュー」があるのでそちらを参考にするのもおすすめです! 読むと商業採用のコツが見つかるかもしれません。
コンテストでは「ジャンル不問」「面白ければOK」と自由な発想や新しい才能を探していることが多いと思います。(もちろん、それも悪いことではありません)
そのような募集の方法だけでなく、具体的に求める作品について知る機会がある……というのは作家にとって大きなメリットになるのは間違いありません。
展示ブース・懇親会
「Nolaオフ会2024」夜の部では、懇親会がありました。
懇親会の準備が行われている合間に、私は代表取締役の釜形さんと広報担当の方と一緒に展示ブースを回りながら、色々お話を伺いました!
現在大手小説投稿サイトでは、ランキング上位の作品や話題になっている作品だけが企業側に見つかりやすい面が少なからずあります。企業側も大量の作品から、自社が求める作品を見つけるのは大変なことでしょう。
その部分をNolaがサポートできれば……と真剣な面持ちで語られていて、こちらも胸が熱くなりました。
Nolaに投稿されている作品をNola編集部が読み、小説投稿サイトではPVがまわりにくいような作品であったとしても、発掘してマッチングする企業側に提案していく。多大な労力が必要になるはずです。
スコッパー企業だ
また、各投稿サイトには「どのジャンルが強い」という部分が少なからずありますが、Nolaには「どんなジャンルも存在する」というのも強みのひとつのようです。執筆ツールがあるからこそ、多様な作家が集まっているんでしょうね。
もっと話をしたかったのですが準備が出来たようなので会場に向かいました。
オシャレな飲み物やビールが全部飲み放題になっていました
Nolaオフ会もそうだけど、六本木の蔦屋もすごすぎる。
だけど懇親会に参加しているのは企業やレーベル・そして作家さんなので、ガチで飲みまくる人はいなかったと思います。
このような場は企業や作家さんと縁を繋ぐ絶好のチャンスです。
また、孤独に作業する作家にとって様々な情報交換ができる貴重な場でもあります。
Nolaオフ会を開催してくれた意図には、作家にこういう場所を提供したいというNolaさんの優しさもあったのかもしれません。
ちなみに私は名刺の発注が間に合わず、名刺を5枚しか持っていない状態で参加しました。
めっっっっちゃ後悔したので、作家の皆さんは常に名刺のストックを持っておくようにしてください。
オフ会が終わってすぐに名刺を200枚発注しました。イベントは突然決まることもあるので、50枚くらいは常にストックしとくべきですね……
皆さんは私と同じ轍は踏まないでくださいね。
緊張しつつも色々な立場の方とたくさんお話させていただきました。
Nolaに期待している企業の皆さん、Nolaを使って商業デビューした作家さん、そしてNolaスタッフの皆さん、どの方のお話も面白く、参加できて本当に良かったです。
原作発掘部のNolaスタッフさんとお話する機会もあったので、気になっていたことを質問しました。
あの~……毎月大量の作品を読んで目が疲れないんですか?
めちゃめちゃ目は疲れます(笑)
できる限り目のケアをしながら読んでいます
読むのは大変そうだけど楽しそうで、かつ丁寧に作品に向き合っているのがわかりました。
詳細な数字は書けませんが、ひとつの作品に対して序盤切りではなく結構な文字数を読み込んでくれているみたいです。
一番にする質問が目の疲労についてだったのは間違ったかと思いましたが、結果的にいい話を聞けたので良しとします(笑)
Nolaスタッフさんと話していると、スタッフさん自身がNolaというサービス愛していて、なおかつ作家を大切にしているのが伝わってきました。
まとめ‐世の中に必要とされない原作はない
Nolaオフ会2024ではNolaの今までの活動と今後の展望を知ることができました。
また、各企業の求める作品像を知ることができたうえに、作家や企業を結ぶコミュニケーションの場にもなっていました。
Nolaオフ会2024全体を通して、特に印象的だったのが「世の中に必要とされない原作はない」という言葉です。
Nolaは小説はもちろん、それ以外の創作や原作も発掘していこうとしています。
作品にはそれぞれ必要とされる場所があるということでした。
「今、人気のジャンルは書けないから……」
「どれだけ小説サイトに投稿してもPVが増えない……」
そんな悩みを抱えている作家にとって、Nolaさんの言葉はとても心強いものだったと思います。
Nolaは創作を様々な面でサポートしつつ、商業の場を目指す作家の可能性を広げてくれます。
私としては、既存の小説投稿サイトとは一線を画する場所になると確信しています。
今後の株式会社indentの動向に注目しつつ、私もひとりの作家として、そしてユーザーとしてNolaを応援していこうと強く思いました。
オフ会に参加できて、すごく楽しかったです!
Nolaスタッフの皆様、ご招待いただき本当にありがとうございました!!
皆様もぜひ、Nolaを利用してみてくださいね!
以上、Web Novel Labo管理人のはにぃくんこと、蜂賀三月でした🐝
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