ネットで読めるおすすめのweb小説10選!【のべるらぼ2021年総集編】

日々、インターネット上では星の数ほどの作品が生まれ、完結していきます。

この記事では、膨大な数の作品のなかで管理人が出逢った感動した作品・心に残った作品を紹介していきます。

「何を読もうかな」と迷ったときに、参考にしていただけると幸いです。

はにぃくん

2021年、500以上の作品を読んだうえで10作品を選びました!

目次

ルミナス

ジャンル

ヒューマンドラマ

文字数

約8,000文字

あらすじ

 作家という夢を追いかけ、Webの小説コンテストに挑戦している千秋。今回の結果発表でも落選した事実を突きつけられ、千秋は無力感に苛まれていた。そんななか、一通のDMが届く。差出人は、顔も本名も知らない藍白という創作仲間だった。

感想

痛みさえ感じるほどの共感がある作品。
小説を書いて「いつか」の受賞を目指し、藻掻くクリエイターの姿がありありと浮かんできます。
諦められないけれど諦めたい。諦めたくないけど、疲れてしまった。

創作が辛いと感じている人に届けたい物語です。

きっと読んだあとには、あなたのなかの千秋にも変化が訪れます。

作品タイトル「ルミナス」
作者:西野 夏葉 
掲載サイト:monogatary.com
@winter_dust_
https://lit.link/winterdust

怪獣のいる世界で花は咲く。

ジャンル

ヒューマンドラマ

文字数

約10,000文字

あらすじ

 突如、世界に現れた「怪獣」という存在。怪獣は世界中に出現し、気づけば人類は避難生活を余儀なくされていた。怪獣を根絶することはできず、人類は怪獣という天敵と共生することを選ぶ。歪になった世界で、主人公は窯元で働き始める。

感想

コロナ禍の現状や不安を「怪獣」と「窯元」という世界観で表現した作品。
作品の工夫がしっかりされていて、その技術にも感服します。
意識して読むとわかりますが、センテンスはもちろん作品全体がスマホ読者に向けて考えられ、構築されています。

コロナ禍で、芸術は不必要なものになったのか?

読みやすい文体なのに作品のメッセージ性は強く、読み応えがあります。
「コロナもだいぶ落ち着いたよね」と言われる今だからこそ、この物語を読んでほしい。

作品タイトル「 怪獣のいる世界で花は咲く。 」
作者:岡田 あずみ
掲載サイト:monogatary.com
@azming1204
https://www.cotobadesign.jp/

チェンジ・ザ・ワールド

ジャンル

エッセイ

文字数

約5,500文字

あらすじ

 複雑な家庭環境を抱える十七歳の『私』。

田舎の進学校で出逢ったのは、スピッツの草野マサムネによく似た『Hくん』という男子生徒だった。

感想

この作品を読んだとき、涙がこぼれました。

筆者の想い、このエッセイが作られた経緯を作品から知っていくことができるからです。

自分や、自分の過去・環境と向き合う文章を書くことは、とてつもないエネルギーが必要です。

そのなかで、ここまで他人の心を揺さぶれるものを書いた筆者に、尊敬の念を抱きます。

私がこの作品を読んだのは2021年の1月。
未だにこの 「チェンジ・ザ・ワールド」 は私の心に強く、光り続けています。

作品タイトル「チェンジ・ザ・ワールド」
作者:千楓
掲載サイト:ステキブンゲイ
@Sen_Kaede

犬と老女と映画館

ジャンル

SF

文字数

約6,800文字

あらすじ

 金属の体で出来た犬は、老婆を乗せて荒れたアスファルトの路面を歩いていた。「はやく【えいがかん】をみつけな、わたしがくだばる前にだよ」崩壊しつつある世界で、犬は老婆の最期の望みに応えようとしていた。

感想

ディストピアを描いているのに、登場人物の息遣いまで感じる文章力は圧巻。

物語の最後を見届けたあとには、まるで重厚な映画を視たような読後感があります。

そして、空回りする映写機のような余韻を是非感じてください。

美しいSFが、ここにあります。

作品タイトル「 犬と老女と映画館 」
作者:デイジーデイジー
掲載サイト:pixiv

穴の中の履歴書

ジャンル

ショートショート

文字数

約400文字

あらすじ

 主人公がプロデュースするアイドルオーディションも佳境に入っていた。最終的に残った三人の履歴書を、穴に埋めると……

感想

ショートショートnote杯で佳作に入賞したこの作品は、ショートショートのお手本と言っても過言ではない作品。

短い文章でしっかりとオチをつけ、少しだけブラックなユーモアも含んでいる。

ショートショートの教科書があれば、例文として掲載してほしいレベルです。

読んだ瞬間に受賞すると確信した、衝撃的な作品でした。

作品タイトル「 穴の中の履歴書 」
作者:たらはかに(田原にか)
掲載サイト:note

#難病に負けない

ジャンル

サスペンス

文字数

約5,500文字

あらすじ

『これを読んでいる誰も聞いたこともないような難病を患っています。自分で自由に動かせるのは右手だけ。それでも、力を振り絞って闘いたい。そう思って、日々の闘いの記録をつけていきたいと思います』

SNSに呟かれる、「mio」というアカウントの闘病記。そのアカウントの投稿は徐々に広がりを見せ始める……。

感想

着眼点に感心した作品です。
実際にSNSにありそうなアカウント、そしてそこに浮かんでくる猜疑心。インターネットの海。

日常的にSNSを利用していて、疑問に思うことはありませんか?

「嫌だな」と思いつつも、疑ってしまうことはありませんか?

この作品は淡々とした語り口で、日常に転がる黒い部分を物語にしています。

あなたは、この「mio」ってアカウント……どう思います? #難病に負けない

作品タイトル「#難病に負けない」
作者:amanatz
掲載サイト:monogatary.com
@ama_natz

はんぺんチーズフライって、とってもエモーショナルな味がするんだね

ジャンル

家族・日常

文字数

約4,000文字

あらすじ

 掲示板に「210」の文字はなかった。つまり僕は、受験に失敗したらしい――。

第一志望の高校受験に失敗した主人公。そのリアルすぎる心情を描く、エモーショナル・ショートストーリー。

感想

思い出と当時の若い感性がもぎ取られ、そのまま作品になったのだろうか。

登場人物が生き生きと物語のなかを動き回っていると思った作品です。

「はんぺんチーズフライ」聞き慣れない料理を通して伝えたい感情と、それを受け取ったときの感覚。

みずみずしさを感じる描写も相まって、エモいんです。

作品タイトル「はんぺんチーズフライって、とってもエモーショナルな味がするんだね」
作者:タカトウリョウ
掲載サイト:note

激辛ナイト

ジャンル

ヒューマンドラマ

文字数

約3,700文字

あらすじ

 クリスマス直前に彼氏と別れた咲良に、真っ赤なメッセージカードが届いた。
それは、クリスマス・イブに開催される『激辛ナイト』への誘いだった。

感想

激辛ナイトのなかでの出会い・料理・会話、そのすべてに美味しさを感じる物語です。

何気ない日常の会話かもしれない。それでもそのなかに、読者が「ほっ」と安心するような仕掛けが入っています。

じんわり・ほっこり。この言葉がこんなにも合う作品があるだろうか。

激辛ナイトへの招待状は、上に貼ってあるリンクから。寒い日に、あたたかい小説を。

作品タイトル「激辛ナイト」
作者:射谷友里
掲載サイト:note

WASHOKU ~コイ物語~

ジャンル

青春

文字数

約14万文字

あらすじ

 長野県佐久市に住む瀬野彩音は、ガールズグループのオーディションの最終選考に落選し、抜け殻のような学校生活を過ごしている。そんな中、隣のクラスのイケメン生徒、櫻井潤から突然「和食グランプリに出よう」と誘われる。
全日本高校生WASHOKUグランプリに挑戦する高校生ふたりを描いた青春の物語。

感想

全年齢対象の長編エンターテイメント作品です。
子どもから大人まで楽しめるストーリー。読みやすい文体。確かに込められたメッセージ。

長編を一日で読むことはあまりないのですが、この作品は朝方まで読み耽りました。

ドキドキして、涙して、登場人物を応援したくなります。

シンプルな感想に見えますが、一作のなかでこれだけ読者の感情を動かすことは大変な技術が必要です。

作者の塚田浩司さんは、実際に日本料理屋の七代目当主であり、それに伴う描写は見事の一言。

くわえて、作中に出てくるコンテスト「全日本WASHOKUグランプリ」
こちらに関しても、実際の受賞者の協力のもと執筆されています。

……あのー、無料で読ませていただいてよろしいのでしょうか? 

作品を読み終わったあと、物語の登場人物みんなが好きになります。

そしてきっと、この作品はあなたのことも応援してくれます。

作品タイトル「 WASHOKU ~コイ物語~ 」
作者:塚田浩司
掲載サイト:ステキブンゲイ

ブルーバード・エフェクト

ジャンル

ヒューマンドラマ

文字数

約10万文字

あらすじ

 ×××・エンターテイメントが開設した小説投稿サイト。
そこに小説を投稿すること、また作品を読むことで登場人物たちにはちょっとした変化が起こっていく。

小説投稿サイトから、8名の主人公が繋がり始める。

感想

モノコン2021・TEAM JACKPOT 賞:優秀賞を受賞したこの作品は、様々な立場の人間が小説を書く・読むことで自分や他人、環境と向き合っていく過程を描いています。

コンテストのチーム戦という仕様上8人の作者が書いていますが、そのことも作品とマッチしています。

文体も違えば、各々が描く小説に対する考え方も違う。どうしても出てしまうバラツキさえ作品として昇華させています。思いつきのリレー小説の類ではなく、細部までよく練られています。

登場人物たちが書く小説のなかに、作者がどのような思いを乗せているのか、その部分にフォーカスを当てている作品であり、小説を書いている人であれば自分と重なる部分も見つけられるでしょう。

クリエイターが集まり、これだけの作品を作ったことへの尊敬とともに、今回この作品を紹介したいと思いました。

web作家の感情の熱が込められた作品、きっとあなたの創作意欲を漲らせてくれます。

作品タイトル「ブルーバード・エフェクト」
作者:ハシビロコウ計画
掲載サイト:monogatary.com

はにぃくん

作品の掲載許可をいただいた作者の皆様、ありがとうございました!

お知らせ

 今回の記事では、2021年に読んだ作品のなかで心に強く残った10作品を紹介しました。

web小説ではどうしても作品が人の目に入ることもないまま、埋もれてしまうことがあります。

良作がたくさんの人の目に触れる……そのようなきっかけに、このブログがなればと考えています。

今後も定期的におすすめのweb小説をご紹介したいと考えています。

感動したweb小説・もっと読まれてほしい小説・あなたを救ったweb小説。

みんなで共有していきませんか?

はにぃくん

記事を読んでいただき、ありがとうございました!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

8 − seven =

目次