【KDP出版のロイヤリティ】3種類の収益を比較!印税率70%にするための条件とは?
kindleダイレクトパブリッシングでの出版をする際、ロイヤリティ(印税)のことは知っておかなければなりません。
価格や販売方法によって得られる収益が変わってくるからです。
今回はその印税率と収益についてまとめましたので、出版を検討されている方は参考にしてください。
KDP出版には3種類の収益がある
はじめに、KDP出版では3種類の収益があります。
①電子書籍の販売によるロイヤリティ
②KEMPの分配金
③ペーパーバッグでのロイヤリティ
また、ロイヤリティには価格などの設定により、印税率が35%と70%と60%に分けられます。
それぞれメリットデメリットがあるので、確認していきましょう。
出版手順についてはこちらの記事で読めます。
電子書籍のロイヤリティについて
出版した電子書籍が購入された場合、著者には既定の印税が入ります。
印税率が35%と70%の2種類があるのですが、これは自由に決められるということではなく条件が違います。
下記の表で比較をしました。
販売ロイヤリティは価格設定が250円以上じゃないと70%になりません
- 幅広い価格設定が可能。
- Amazon以外でも販売ができるので、色々な場所で出版できる。
- 獲得するロイヤリティは高いが、価格設定の幅は狭い。
- Amazonと独占契約をする必要がある。他の場所では出版できない。
- KDPセレクトに登録する必要がある。
それぞれにメリットデメリットがあります。
ただ、名の売れた作者でない限りはこれから説明するKEMPに重きを置いた方が、収益に繋がりやすいでしょう
ちなみに、ロイヤリティ35%でもKDPセレクトに登録できます。
読まれやすさを一番大切にしたい場合は「99円販売」+「KDPセレクトに登録」がマストと言えるでしょう。
ただし、KDPセレクトに登録すると、kindleストア以外では販売できません。
価格設定を低くしても独占販売になりますので、他の場所でも販売を考えている方はKDPセレクトは諦めましょう。
KEMP収益について
KEMP(Kindle Edition Normalized Page Count) は、kindle Unlimitedで、読まれたページ数によって収益が発生します。
無名作家の場合は、読み放題の方が確実に読まれやすいでしょう。
読み放題の場合はどれだけ本を読んでも料金が一緒なので「購入して失敗した」ということがないですから。
収益をあげたい方は、KENPによる既読ページで収益を上げる方が現実的です。
KENPの単価
1KEMP(書籍を1ページ読まれたときのロイヤリティ)の単価は毎月変動します。
単価はKDPセレクトグローバル基金(世界中のアンリミテッド経由の収益の合計)の金額で各国に分配されるロイヤリティが決定されます。
多少の変動はあるものの、だいたい1ページで「0.5円」くらいが平均です。
KDPペーパーバッグについて
KDPペーパーバックは、自分の原稿を紙書籍として印刷して届けるというものです。
このサービスによって、誰でも紙の本が出版できるようになりました。
注意点としてペーパーバッグは電子書籍で出版するのとは異なり、ロイヤリティが一律になります。
けっこう高く見えますが、印刷費用がかかることから最低定価のルールが設けられています。
固定コスト に関しては下記の公式ページで確認できます。
白黒なのか、カラーなのか、ページ数や販売するマーケットプレイスにもよるので、よく確認をすることが必要です。
おすすめのロイヤリティ
作品のページ数、ジャンル、自身の実績やネームバリューにもよりますが、まずはkindleでの独占販売を選び、ロイヤリティ70%を選択するのがいいと考えられます。
電子書籍の利用は業界内でもkindleが一番です。
次に利用が多いのが楽天Koboですが、利用率はAmazonが圧倒しています。
読まれやすさ、KEMP収益を考えるとロイヤリティ70%を選択し、読まれる間口を広げる方が無難です。
また、KDPセレクトに登録したからと言って書籍の単品購入がされない訳ではありません。
価格や設定は途中で変更することもできます。
まずはAmazonでのみ販売し、手応えを確かめるのもひとつの手でしょう。
もし読まれないと感じた場合は、「ロイヤリティ35%+KDPセレクト登録」に切り替えましょう。
発売当初は読まれやすい設定にしておいて、評価やレビューをもらうことでランキングを上げるという宣伝方法もあります!
まとめ
- KDP出版の収益は3種類ある。
- ロイヤリティを70%にする条件は3つ。
①250円~1,250円の販売価格
②KDPセレクトへの登録
③Amazonでの独占販売 - おすすめはKENP収益を主にすること。
記事を読んでいただき、ありがとうございました!
コメント
コメント一覧 (3件)
お初に書き込みさせていただきます、daichanと申します。
記事を読んで疑問に思ったことがありましたので、教えていただけないでしょうか?
Q.1 kindle Unlimitedに登録すると、必ず読み放題になるのでしょうか?
仮に200Pの本を執筆、ロイヤリティ70%を選択しますと、
最小価格:250円
最高価格:1,250円
Amazonと独占契約を結ぶ
KDPセレクトに登録必須
というのが条件とのご説明ですが、実際はKDPセレクトで読まれて、100円の印税をもらって終了とならないでしょうか?
よほど気に入ってもらえないと、購入という形にはならないので、絵に描いた餅という感じがぬぐえません。
一回しか読まれないような本の場合、ロイヤリティ35%で値段ちょっと高めにして、よそでも販売するというのが作戦としては正しいのでしょうか?
Q.2「おすすめのロイヤリティ」で、
もし読まれないと感じた場合は、「ロイヤリティ35%+KDPセレクト登録」に切り替えましょう。
とのご説明ですが、これはどうしてでしょうか?
ロイヤリティを下げてKDPセレクト登録するくらいなら、70%のままほっておいたら良いのではないでしょうか?
楽天Koboでも販売して、間口を広げたほうが良いという意味でしょうか?
疑問に思いましたので、お手すきの時にでもお答えいただけたらと思います。
よろしくお願いします。
daichanさま
コメントありがとうございます。Web Novel Labo管理人の蜂賀です。
>>Q.1 kindle Unlimitedに登録すると、必ず読み放題になるのでしょうか?
読み放題に設定されている作品を、 kindle Unlimitedに登録している人が読めるようになります。
実際売れるかどうかは作品の内容、ジャンル、作者の著名度も関わってくるので一概には言えません。
私としては作品の手に取りやすさを上げるために記事にはこのような形でおすすめをしていますが、必ずしもこれが正解というわけではないです。
>>Q.2「おすすめのロイヤリティ」で、もし読まれないと感じた場合は、「ロイヤリティ35%+KDPセレクト登録」に切り替えましょう。
これも作品を手に取りやすくするためです。作品を読んでもらったあとに読者からレビューをもらったりするとランキングが上がったり、商品ページを見た人の購買意欲も刺激することができます。KDP出版も盛んになっている今、「値段が安い」「読み放題になっているから気にしなくて読める」というのはとても大事な要素です。
楽天Koboもありますが、電子書籍のシェアを考えるとAmazonが一番です。楽天Koboに出す手間を考えるとAmazonでの露出を増やした方がいいと私は考えています。
ただ、これらの考えもあくまでも私の考えであり、実際にそれぞれの作品に合う形で色々試していくのが一番いいと思います。
納得のいくご回答になっていなければ申し訳ありません。余談になりますが、実際私は別名義でKDP出版をしましたが、小説より実用書のが売れやすいです。
出版手続き自体は簡単にできますので、ぜひ試してみてくださいね。
蜂賀様、ご丁寧なお返事ありがとうございます。
kindle Unlimitedに登録して、読み放題に設定しなければ、よいのですね。
kindleで1500円で販売し、kindle Unlimitedで1250円で販売という形は可能なのでしょうか?
kindle Unlimitedに登録が面倒という人もいますので、kindleだと損をしますが、両方で売ったほうがいいかなとも思っています。
実は私、知らない人はいないくらいのとある大企業で労災にあってしまいました。
その会社は、私が労基に訴えなければ、治療費のみ払ってほっぽり出すようなところだったのです。
慰謝料のやり取りをしていくうち、おかしなところを指摘して調査を依頼しても、嘘の報告を平気でするくらいの会社です。
私が嘘の報告を聞いて、「確認来た?」と目撃者に後で聞いたのですが、「来てない」、との返事がいくつも返ってきました。
メールで質問しても無視するし、しまいには、「いつまでにハンコを押さないと、提示した条件は無し」、と言ってくる始末です。
それで腹が立って、「本出版しますので、慰謝料の増額分が結構です」と返事をしました。
そして、kindle Unlimitedの印税が高いという話を聞いていたので、蜂賀様にご質問させていただいたというわけです。
今現在、怪我をした会社の製品関係の、公称12万部の雑誌に広告を載せてもらうところまで話は進んでいます。
そこで、計算してみましたころ、
1250円*50,000部*0.7=43,750,000
という信じがたい数字がでまして、本当にこんなになるの?と思い、質問をさせていただいたという次第です。
内容は、
1.事故はなぜ起きたのか?
2.企業体質について。
3.企業の担当者との交渉の経緯。
この辺りを書こうと考えております。
暴露本で、内容的に一度見れば終わりという性質のものですので、一番高く買ってもらえるのはどのパターンかな?ということで、ご質問させていただきました。
ただ、出版不況の現在、50000部は夢見すぎというのはわかっています。^^;;
ただ、この理屈が成立する以上、この式が交渉のテーブルに乗ったとき、担当者がどんな顔をするのか非常に楽しみです。
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