「文学の入り口」坊っちゃん文学賞。
第15回(2017年)からリニューアルされ、ショートショート専門の賞となりました。
ショートショートを書く作家にとっては、まさにこの文学賞受賞は憧れとも言えるでしょう。
第18回では総作品数6,952点から6点が受賞作品として選ばれました。
今回の月刊のべるらぼでは「第18回坊っちゃん文学賞応募作品特集」とし、応募作品をまとめて紹介いたします。
ぜひ、受賞作を含め気になった作品は読んでみてください。
提出順に掲載しており、目次からタイトルをクリックすると該当箇所に飛べます。
目次
夢n夜
Life is book
作:石嶋ユウ
note(ノート)
ショートショート『Life is book』|石嶋ユウ
ペンを握って、言葉を綴る。人類はそこに深い意味を求め続けてきた。僕もそうだ。僕だって言葉を綴る行いに深い意味や価値を求めている。だが、その意味や価値とは何なの…
もし、自分の人生の全てが一冊の本に書かれていたとしたら、あなたはどうするでしょうか?
うつびとと蝿
作:kgin
monogatary.comにてスタッフオススメ掲載!
monogatary.com
うつびとと蝿
東京は阿佐ヶ谷という街に、千葉喜八という男が住んでおりました。この男、30代も半ばでうつ病を患いまして、目下療養中という身です。 ある日の朝、薬の副作用でうと…
うつ病で療養中の喜八と蝿の物語。悪い癖でオチをもう少し丁寧に描いたらよかったと反省してます。
思い出を穿つ
作:金木なのる
pixiv
#一次創作 #小説 思い出を穿つ – なのるの小説 – pixiv
「思い出をください」 そう言って鈴原が机に置いたのは、市販のピアッサーだった。パッケージには「舌用」と大きく書かれている。 グラウンドからは野球部の掛け声がして、…
青春を知らない女子高生と、それに向き合う教師が「思い出を捧げる」話です。
僕らは世界を知らない
作:金木なのる
pixiv
#一次創作 僕らは世界を知らない – なのるの小説 – pixiv
それは、とても穏やかな夜の事だった。 その日はいつも以上に暑く、皆して冷房の効いたリビングでのんびりと過ごしていた。 大して広くもない部屋に、家族全員が密集してい…
当初、絵本にする予定だったファンタジーです。今思うとオチがちょっと弱かったかもしれません。
儀典的証拠
作:金木なのる
pixiv
#一次創作 #恋愛 儀典的証拠 – なのるの小説 – pixiv
かつて、この村には聖女と呼ばれる娘がいた。 聖女は教会を出ることを許されず。 聖女は人に触れることを許されず。 聖女は恋することを許されなかった。 私が聖女様に初め…
恋したことを証明することは難しい、というのを宗教的に表現した話です。4000字なのに作り込みすぎてました…。
浮世の夢は、暁の空
作:金木なのる
pixiv
#一次創作 浮世の夢は、暁の空 – なのるの小説 – pixiv
「朱理ちゃん、ハッピーバースデー!」 4月4日、明け方4時。病室404号室。13歳の誕生日。 不吉な数字が並ぶ中、いつの間にか開いていた窓の外に、自称死神が現れた。 産ま…
13歳の誕生日、少女の前に現れたのは死神でした。 大人びた表現を敢えて使ったのですが、もう少し幼くしてもよかったかもしれません。
老作家の顛末
作:きさらぎみやび
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【掌編小説】老作家の顛末|きさらぎみやび
「うーむ」 老作家は原稿用紙を前にして、かれこれ数時間は唸っていた。隣には若い担当編集者が老作家の原稿が出来上がるのをひたすら座って待っていたのだが、既に根負…
自分の願望がそのまま表れているような、そんなお話になりました。「作家というのは業の深い生き物ですね」
甘い、苦い
作:射谷 友里
ココロが働く診療所は恋の悩み専門だ。悩み深い森下刑事が現れ、ココロの平穏な日常が変わり始めた。
ねずみ時計
作:串岡七瀬
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ねずみ時計|串岡
ねずみ時計【第18回坊っちゃん文学賞応募作品】 私は定職を捨てた。 大学を卒業してから八年も同じ職場に勤めていた。小さな貿易会社の事務として入社した私は、年月を重…
文字制限のあるショートショートに取り組むのが初めてだったので、制限内に話を着地させることがとても難しかったです(そして、着地できませんでした)。
令和青春恋絵巻
作:秋田柴子
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令和青春恋絵巻 〈3997字〉第18回坊っちゃん文学賞撃沈作品①|秋田柴子
「はあ……マジで無理……」 紫苑は、ため息まじりに部屋の天井を仰いだ。頭の中に放課後の光景がまざまざと甦る。 「一之瀬さん、隣の席だからって中里君にベタベタしないで…
とにかく百人一首を!と思って書きました。日頃ラブコメはまず書かないので、非常に珍しい作品です(笑)
魅惑の箱
作:秋田柴子
Twitterで流れてきた「猫対策として箱を置く」という動画をヒントにしました。今回最も楽しく書けた作品です。
今昔コロツケー奇譚
作:秋田柴子
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今昔コロツケー奇譚 〈3998字〉第18回坊っちゃん文学賞撃沈作品③|秋田柴子
表通りから離れた狭い路地の奥に、その小さな店はあった。 外の看板にはひとまずバーと謳ってあるが、入ってみれば壁中所狭しと品書きが貼ってある店内は、むしろ寿司屋の…
何故か「ころつけ」という発音が好きです。ちょっとマスターの台詞が長すぎるかな、というのが反省点です。
それは、いつもの
作:蜂賀三月
坊っちゃん文学賞を意識した作品ではありません。自分の好きに書いたものを出しました。後悔はしてません。
テトラポッドと猫と私
作:佐野米
作者の中では割と自信作ですが本人は海辺に行ったことすらないです
列車
作:本読むリス。
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ショートショート「列車」|阿部凌大
線路を噛む車輪の振動に目を覚ますと、既に列車の中だった。私は窓際の席に座り、手には切符が握られていた。切符には矢印だけが書かれており、私がどこから来たのか、そ…
祖母ット
作:本読むリス。
note(ノート)
ショートショート「祖母ット」|阿部凌大
祖母は発明家だったから、死んだ後もロボットになってしまった。祖母ットである。 勿論、祖母がロボットに「なった」というのは正確ではなくて、祖母は自分の思考パタ…
タイトル通りの話だと思います。バカみたいな話です。
さよならエンディングノート
作:本読むリス。
note(ノート)
ショートショート「さよならエンディングノート」|阿部凌大
真下には一本の川が流れており、高さのためにそれは本来よりも随分と細く見えた。川を包むように山肌は広がり、風に揺れる川の水面と共にそれらは、陽射しに煌めき、鮮や…
今年50本書いた中で、1番いい感じの終わり方だと思います。よろしくお願いいたします。
あさ野球
作:谷春声
note(ノート)
「あさ野球」|谷春声
(3,978字) 草野球を始めた。 野球を本格的にやっていたのは高校時代までのことで、大学では比較的ゆるい運動サークルに入った。社会人になってから数年。接待があっ…
お爺さんだらけの草野球チームに入った青年が見事、自身のトラウマを乗り越えるお話です。
二次審査通過作品‼
片割れ
作:コンドウフミヒロ
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『片割れ』 第18回坊っちゃん文学賞 二次審査通過作品|コンドウフミヒロ / confusion
一万円を失くしたことに気がついたのは、午前九時の大学の講堂だった。 といっても、一万円札を道に落としたわけではない。販売価格二万円の、ちょっと高額な左右分離…
実際にワイヤレスイヤホンを紛失した経験から着想を得ました。小説を書き上げたのはこの作品が初めてです。
旧作の空と新作の空
作:藤也いらいち
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小説『旧作の空と新作の空』|藤也いらいち
「明日午前零時より、さそり座の空を施行します」 携帯端末から落ち着いた男の声が流れた。 時間を確認する、十八時五十六分。空が替わるまであと約五時間。あまり時間…
夜空を見上げたくなるものを書くぞと意気込んで作った作品です。
坊っちゃん文学賞とは
愛媛県松山市が創設した文学賞です。第16回からショートショート専門の賞となっています。
テーマは問わず、最大4,000字以内のショートショートの公募になります。
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